【10分】Z世代には通用しません。平成の看護学校上下関係列伝 #寮生活編

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今回のキーワードは10分です。よく覚えておいてください。

入寮し本格的に先輩や同級生との寮生活が始まります。

3食付きの寮だったのですが、独特なメニューはあるものの味はそこそこ不味くなく、量もたくさんいただけました。

しかし、問題は時間なのです。

なんとトレイに盛るところから、食べて、トレイを返却までを10分以内に終えなければいけないのです。ぬくぬくと育ってきたのでそんな早食いをしたことはありません。

最初の頃は気持ちも一杯一杯ですし、時間も足りず完食することができませんでしたがこの頃の訓練のおかげで今でも早食いが治りません。

しかも、食堂内は完全な一方通行で、もし箸やお茶などを取り損ねても逆流してやり直すことは死んでも許されません。

つまりは食器を取り忘れたら、素手で食べるか隣の子に早食いを依頼し使用済みの箸を譲渡してもらい残りの時間で食べるしかないのです。

狂っています。

食器の返却順も細かく決まっており、全ての行動はもちろん先輩が目を光らせて見ています。

ミスがあれば夜の点呼でお叱りを受けます。もしくは、点呼の際に大勢の前にいでて自ら懺悔をするのです。

「箸をお皿の前に洗い場に置いてしまいました。二度とないように気をつけます。」

そして聞いている同級生がそれをノートに書き留めます。

何と惨めでしょうか。

あと、食堂内では同時に5名以上立つなと指示がありました。でも、広い食堂で3学年一緒に食べてますから難しいんです。上級生は人数を気にせず立つことが許されており、必ず上級生は先に譲るように。とのことだったので1年生は立ち上がるまでに何分もかかってしまいます。モグラ叩き状態でタイミングを図りやっとの思いで食堂を後にしますが、夜の点呼で先輩がこう言います。

「食事が10分超えてた自覚ある人、前に出て。」

狂っています。

10分、

これは絶対なのです。

食事以外に人間の生活で必要不可欠なものは入浴です。

日本人にとって1日の疲れを癒すのがお風呂ですよね。ここの学生にとっては1日で最も疲れるのがお風呂なのです。

寮ですからもちろん大浴場で3学年使用します。

それぞれの学年が使用できる区画が決まっており、湯船につかれるのは2年生以上。

1年生は割り当てられている箇所も狭く、シャワーヘッドも人数に対し少ないため2人で1つのシャワーを使います。1年生は点呼後は浴室には行けないので効率化する必要があるのです。

同じ部位を同時に洗わぬよう、事前に打ち合わせをしてペアの相方が髪を洗う間に顔や身体をささっと洗い、ペアがシャワーで流す間に自分が髪を洗い…

慣れないうちはなかなかスムーズに交代できず時間がかかってしまいます。

さて入浴に与えられた時間は何分でしょう。

そうです。

10分なのです。

しかも洗える時間が10分ではなく、脱衣室に入場して脱衣し、洗って出て身体を拭き服を着て、脱衣室を大声で「お先に失礼しまぁぁぁす!!!」と言って退室するまでが10分なのです。

観光で行きましたが網走刑務所の方が一人分のスペースも時間もありそうでした。

女子だけの空間で大人数ですから排水溝が髪の毛でよく詰まるんです。入っている最中に詰まったら全ての排水溝に1年生が駆けつけるルールです。3年生が詰まらせたって1年生が掃除するのです。

そんなことしているとリンスする時間がなくなって諦めて退室することもありました。

「お先に失礼しまぁす!」

失礼はそっちでしょう。

そして点呼では、

「10分過ぎてた自覚ある人,,,(以下同文)」

狂っています。

今思うとこれって、本当に過ちを振り返るために点呼で大勢の前で謝らされていたのではなく、尊厳を踏み躙って従属させるための儀式だったのだと感じます。

まだまだ狂気の出来事はあったのですが人間忘れるように上手くできていますから殆どの辛かったことは忘れてしまいました。

そんなこんなで人生で最も長い1週間を過ごし、入学式の日を迎えました。

元々冷笑系の子供でしたから、卒業式で泣いたことはないのですがまさか入学式で

「人生終わった,,,」

と涙しました。

私の看護学校生活はこうして幕を開けました。

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